外線作戦と内戦作戦

Bonjour, monshieur

前回扱った内戦作戦は言葉を換えれば二正面作戦ということ。よほど自分の軍に自信がない限り、自ら進んで行う作戦ではない。二正面作戦を行った例として、わかりやすいのは両大戦でのドイツだ。一次大戦のドイツはオーハンに巻き込まれたわけだし、二次大戦もわかっていたとはいえフランスから宣戦布告してきている。そういう意味ではポーランドを倒し、返す刀でベネルクス、フランスを倒したのは内戦作戦の成功例といえる。

 

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フランス戦

ただし、フランス戦で見れば外線作戦を展開したといえる。ポーランドとフランス、それにマジノ線を足すとドイツ軍よりも戦力は上回るが、ベネルクスとフランスだけではドイツ軍の敵ではないということだ。

ほかの内戦作戦の成功例としては、第三次中東戦争イスラエルだ。エジプト、シリアから戦争を仕掛けられた。イスラエルも軍は整っているが、両国から挟み撃ちにされては負けることは必至だ。

 

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第三次中東戦争シナイ半島

このように、イスラエルはまず第一の正面であるシナイ半島のエジプト軍をスエズ運河を使うことで包囲殲滅し、エジプトと単独講和する。次に第二の正面のゴラン高原に全軍を転身させ、シリア軍をたたいた。わずか6日で終わった戦争だった。精強なイスラエル機甲軍団あってこその作戦でこれ以上なくきれいに終わった戦争といえる。

ドイツとイスラエルの二つの例を見てわかるように、内戦作戦とは一方では少数で防衛しつつもう一方には敵よりも強大な戦力でもってこれを撃破する作戦だ。つまり、数的優位を一方で作り、その兵力を持って外線作戦を展開する。要は初めから外線作戦が展開できれば苦労はしないという作戦なのだ。どちらが優れているかといえば当然外線作戦だ。敵の三倍の兵力で平原で外線作戦をすればまず負けることはない。

ただし、防衛と攻撃をきれいに組み合わせた内戦作戦のほうがオシャレであることは確かである。

Bonne jornee