横陣

Bonjour, monsieur

前回紹介したカンナエの戦いでは、ローマ、ハンニバルともに横陣をしいていた。

横陣・・・横に長い陣のこと。縦の厚みが薄いため、陣を割られて後背に回り込まれる可能性は高かった。しかし、遊軍は少なくなるためその軍の最大火力を敵にぶつけることができる。ようは、間を割られなければ最強、ということだ。

 

横陣を最適に使ったのは前回も扱ったハンニバルだ。カンナエのほかにもトレビアの戦いで横陣の有効性を証明している。

 

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トレビアの戦い

彼はローマ軍を少数の騎兵で陣地を襲撃することにより、対岸へと誘引し、騎兵を使った包囲戦を展開した。彼の歩兵では川を渡ったことで疲れ切っているローマ歩兵ですら殲滅するには力不足だった。そのため、歩兵が押し込まれてもその状態を包囲につなげるために両サイドの騎兵部隊を使った。横陣から縦深陣に陣形を変化しつつ敵を包み込むように包囲をする、現在ですらたびたび小説などに登場するお手本ともいうべき戦術を彼は生み出した。

Bonne jornee